ニロ 往診での緩和ケア
前回、二次診療で癌がわかったところまでを書きました。
その続きです。
「がん悪液質」の典型的な症状は
体重減少、骨格筋量減少、食欲不振だそうです。
食欲がなくなった9月上旬からは、
普段食べていた馬肉や鶏肉の手作りご飯は
一切食べなくなってしまいました。
食べていても痩せてしまうのに
食べなかったらもっと痩せてしまう...。
何か食べて欲しくて
犬用、ヒト用、色々な食べ物を試したけど
そのほとんどは撃沈。
ようやく食べてくれるものが見つかると
「にっくん食べたーっ!!」って
家族で大喜びしていました。
でもそれも数日で食べなくなってしまったり...。
そんな中、焼き鳥だけは継続して食べました。
ヒト用なのでタレで味付けしてありますが、
そこはもう気にしていられない。
ももやレバーなどを日に2回、
多いと3回食べていました。
甜菜糖と少しの醤油で味付けした
自家製のレバー煮もよく食べてくれました。
その時は、甘辛い味がお好みだったようです。
焼き鳥もぐもぐ
とは言え自分から食べる量は少ないので
前回書いた流動食も日に4〜5回、
シリンジであげていました。
さて、二次診療で癌とわかったものの
それに対して積極的な治療は出来ないので
今後は緩和ケアをしていくことになりました。
通院が体力的に厳しくなるだろうし
ニロくんのストレスにもなるので
毎日の皮下点滴は家ですることにしました。
(やり方は病院で教わりました)
それと同時に転院もしました。
この先、診察が必要になることもあるだろうから
往診に来てもらって自宅で緩和ケアをしたい。
ニロくんが出来るだけリラックスした状態で
痛みを感じることなく穏やかに過ごしてほしい。
そう思っての転院です。
往診は、以前からインスタを拝見していた
【ミック動物診療】にお願いしました。
1年半ほど前、ミック動物診療のインスタで
ウィペットのヴェローチェ君の往診記録を読みました。
それからヴェローチェ君のブログも。
我が家もいつか緩和ケアをする日が来たら
こちらの先生にお願いしたいと思っていたので
二次診療の翌日、すぐに予約を入れました。
「いつか」がこんなに早くやって来るとは、
夢にも思っていなかったのだけれど。
院長先生は以前ウィペットを飼われていて、
ウィペットの終末期の記録を
「犬を感じるブログメディア dog actually」(今は閉鎖)
というサイトに書かれていました。
当時この記録を読んでいたのですが
インスタをフォローした段階では
同じ方だとは気づいていませんでした。
予約の際、病院HPにその記録が再掲されていて
あぁ!前に読んだウィペットさんの!
と気づいた次第です。
初めての往診は9月24日でした。
その日のニロくんは、ほとんど寝ていて
全然動きませんでした。
ぐったり、といっていいくらい。
状態は悪そう、傾眠傾向、悪液質...
先生から見たニロくんの余命は、1週間でした。
1週間...
人生で一番ショッキングな宣告でした。
あまりの余命の短さに絶望しか感じませんでした。
二次診療で長くはないとは聞いていたので
そう遠くない未来だろうと覚悟はしていたけれど
まさか1週間とは思っておらず、信じられませんでした。
だって、ニロくん焼き鳥パクパク食べるし
トイレだって自分で歩いていくよ?
信じられない。
信じられないけど、終末期の動物を
数多く診てきた先生が言うのなら、そうなのかな..。
ただ、そのあと先生も仰っていたけれど
今のぐったりした状態しか診ていないし、
これから何をどこまでするかで
余命は少し変わってくる。
だけど癌なので何ヶ月も寿命が伸びるわけではなく
少しだけ長くなる程度。
その少しのために色々やった結果
逆にニロくんを苦しめる場合もある、と...。
私たちは、もちろんニロくんを苦しめたくはない。
出来る限り穏やかに過ごしてほしい。
痛みや苦痛をなるべく感じず、
最期の時も穏やかに迎えさせてあげたい。
でもだからといって今、
何もせず自然に任せるという選択は出来ない。
ニロ君がもう食べないと決めたなら
それは尊重するし受け入れるけど
今のニロくんは少しだけど食欲がある。
「何かくださいな」ってキッチンまで歩いてくる。
食べたいならなるべく食べさせてあげたい。
癌の進行を少しでも遅らせるために
体力を戻してあげたい。
出来ることはしたい。
生きてほしい。
この日は皮下点滴をしてもらい、
一旦やめてしまったステロイドを処方。
腰のあたりの毛を刈って
フェンタニルテープという
痛み止めパッチを貼ってもらいました。
目に見えて痛がる様子はないけれど
癌は内臓の鈍痛を感じる場合もあるので
貼って楽になるかもしれないとのことでした。
9/21の二次診療での血液検査結果を見て
肝臓と白血球の数値上昇があるので
次の往診(3日後)に血液検査をして
抗生剤を入れるか等検討することになりました。
9/26 ぼくパッチ貼ってるよー
9/26 レバーむしゃむしゃ
往診の2日後までは、よく食べて
お散歩も足取り軽く歩けて
とても調子が良かったのですが...
その後、食欲も元気もなくなってしまいました。
9/28 あまり食べず
やっぱり先生の言った通り
状態はかなり良くないのかもしれない...。
しかも、下痢をさせてしまって
さらに体力を奪われてしまいました。
この時は、水とほんの少しの流動食しか食べませんでした。
初診から3日後に往診の予定だったのですが
このタイミングでなんと私が
コロナ陽性となってしまいました💦
往診は取りやめになったのですが、
先生が、下痢止めと長期ステロイドと
肝臓に効果がある抗生剤を届けてくれました。
それらは全部皮下注射なので
オンラインで注射指導をしてくれました。
9/29 夕方、カートでちょこっとお散歩へ
ニロくん初カートにソワソワ。
出ようともがくので数分で帰宅😅
レンタル酸素(ケージは買い取り)が届きました。
10/1 みんな入りたがる酸素室
せまいやろ〜
注射のおかげで下痢は治まっていたけれど
この日あたりからニロくんは
水も飲まなくなってしまいました。
もう体が受け付けないのであれば仕方ない...
ニロくんを苦しめたくない。
無理に食べさせるのはやめました。
心臓の薬は飲ませたほうが良いとのことでしたが
口を開かないので飲ませるのは無理でした。
皮下点滴だけを毎日続けていました。
ニロくんの様子は落ち着いて見えました。
時々首を持ち上げて周囲を確認する動きはあるけど
ほとんど動かず寝ていました。
ナックリングが急激に進んで
支えないと歩けませんでした。
それでもおしっこはトイレでしたいようで
もぞもぞして教えてくれるので
連れて行くとトイレにしました。
ボーッとして反応が薄い時も多くて、
病状進行による傾眠かなと思っていました。
もうお別れはすぐなのかなと思って
天気が良い日に原っぱへ行きました。
10/3 にっくんのお庭だよ
久しぶりの原っぱで草の匂いや風を感じて
ニロくんも気持ちよかったかな。
この日の夜、変化がありました。
この日、パッチを張り替えるタイミングだったのですが、
貼っていたところが赤くかぶれてしまったので
明日の往診まで貼らずに過ごすことになりました。
そしたら、夜になってボーッとした様子が抜けて
表情がはっきり出てきて、目にも意志があり、
水を飲ませたらごくごく飲んだのです。
ちゅーるとサラダチキンも食べました。
素人考えですがパッチが効きすぎていたのかな?
って思いました。
翌朝も水を飲み、流動食を食べ、
少しの鶏肉ペーストも食べました。
でも、往診の際先生に聞いたところ
パッチのせいではないと仰っていました。
そんなに早く変化はでないそうです💦
なんかタイミング的にぴったりだったので
そう思っちゃったんですよね。
でも先生は私の意見を尊重してくださり
毎日近くで見ている飼い主さんがそう言うなら
貼らないで様子を見ても良いとのことで
一旦パッチは中止することにしました。
また、血液検査をしたところ、
全体的な数値改善がみられました。
(高かった白血球、肝臓、リパーゼが落ち着いてきた)
あまり食べなかったこと、ステロイド注射、
抗生剤注射が少し効いたのだろうとのことでした。
それで元気、食欲が出てきたのかもしれないですね。
ただし、癌がなくなるわけではないので
小康状態ということだそうです。
癌が決定的な死因にならず
長期戦になる可能性があり
食べていないことから衰弱で...
となる可能性が高いそうです。
なんであれ、最初の余命宣告を乗り越えた!
数値も改善したことだし
ニロくんが楽になっていたら嬉しい。
10/5 食欲を取り戻し、再びレバーもぐもぐ
それから現在に至るまで、
食欲がある状態が続いています。
1日に2回好きなものを食べています。
4回くらい流動食も食べています。
でも数日前にまた下痢をしてしまい、
また体力が落ちてしまいました💦
便の検査をしてもらったところ
悪玉菌(常在菌)が増えているそうで
お薬を処方していただきました。
今はむやみに食べさせられないので
お腹と相談(うんちと相談?)しながらやっています。
幸い、味が濃くなくても食べてくれるようになり、
薄味の鶏胸肉や白身魚とかも食べています。
下痢をしたことでさらに弱ってしまい、
後ろ足は立たず、自力歩行は出来ません。
寝たきりという状態です。
体重は7.5キロになり
軽々と抱っこ出来るほど軽くなりました。
それでも、ニロくんと一緒にいられることが幸せ。
神様がくれた時間。
ニロくん本当に可愛くて。
大切な大切なニロくん。
毎日ありがとうを伝えてる。
まだまだお世話させて欲しいなって
ニロくんのお尻を洗いながら思う日々です^^
かわいい!!!
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