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2022年10月 6日 (木)

ニロ 病気がわかるまで

今、ニロくんは病気が判明して闘病中です。

病理検査の報告書には
「非肝細胞性の悪性腫瘍を疑う」
という診断が記載されています。

「闘病」というとちょっと違うのかな。

外科的にも内科的にも
治すためには出来ることがなく、
対症療法をしながら終末期の緩和ケアをしている状態です。


なかなか心が追いつかなくて
ブログにもインスタにも書けずにいました。

これから、少しずつになるかもしれないけど
時系列に沿って記録していこうと思います。

 

 

今から約1ヶ月前。

9月2日にブログをアップした時、
最後の方にニロくんの食欲のことを書きました。

"最近食べムラがあり、朝は食欲がなく
 昼、夜と食欲が増していく" と...。

それを書いた次の日の夜、食欲がほぼ消失し
手作りナゲットを少し食べただけ。
その翌日には朝から何も食べなくなってしまいました。

肉、魚、チーズ、あれこれ口元に持っていくも
何も食べません。

コンビニへ走り、食べられそうなものを買いました。
豆乳クッキーとロールケーキをほんの少し口にしました。


9/4 元気、食欲なし
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その日はかかりつけ医が休診日だったので
存在は知っていた近くの病院に電話してみました。

すでに予約がいっぱいでしたが
なんとか午後イチで診てもらえることになりました。

食べ慣れないものを食べさせたせいなのか、
病院へ行く直前に下痢をしてしまいました。

血液検査では、CRP(炎症数値)が2.3であること以外は
数値的な異常はありませんでした。

またエコーでは、十二指腸がほとんど動いていない
とのことでした。

脱水をしているので皮下点滴をし、
制吐剤、制酸剤も入れました。

脱水が改善されれば十二指腸が動くことも多いらしく
それに期待してその日は帰宅しました。

様子を見て、改善されなければまた来てくださいね、と。


次の日になっても食欲は戻りませんでした。
食べたい気持ちが少しは見られるのですが食べません。

もともと飲んでいる心臓の薬と
処方された制酸剤などは
すり潰してシリンジで飲ませました。


その翌日から、毎日皮下点滴に通いました。
1日も欠かさず、毎日毎日通ったけど
食欲は戻りませんでした。




9/7 原っぱへ行っても辛そうで歩かない
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毎日の通院では症状と経過に合わせて
ステロイドを入れたり、抗生剤を入れたりと
色々考えてくださり十二指腸は改善傾向、
CRPは下がっていました。
でも食欲は戻りません。

途中リパーゼが上昇したため
膵特異的リパーゼの検査もしたけど正常、
膵炎の心配は無くなりました。



少し食欲が出ることもあったけど1日に1回、
少しの鶏肉を食べる程度。
日に日に痩せていきました。


自分で食べないので、シリンジで強制給餌をしました。
強制って書くと心苦しいのですが
食べないと弱ってしまう...。

◆ロイヤルカナン クリティカルリキッド
◆ロイヤルカナン 退院サポート(缶)
◆ヒルズ a/d缶 回復期ケア(缶)
◆デビフ カロリーエース(缶)
◆森乳 チューブダイエット ハイカロリー
◆森乳 エナジー500


などを用意して、いくつかをブレンドした流動食を
3時間おきくらいに食べさせました。

喜んで食べるわけではないので少量を頻回で。
口に入れればニロくんは飲み込んでくれました。



9/11 毎日の通院、頑張ったよ
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通院し始めた頃より足取りが元気な日もあり
方向性として大きく間違ってはいないようですが、
改善しないことに不安が募っていました。

高齢なのでのんびり食欲が出るのを待っていたら
激痩せして体力も落ちてしまう...。

すでに最初の通院日から、1キロ減っていました。




9/16 痩せちゃったね...
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10日が経った頃、僧帽弁閉鎖不全症を
9年間診てもらっている
東京動物心臓病センターを受診しました。

定期検査の時期でもあったし、
今の心臓の状態も心配だったから。
結果、心臓に変化はなくホッとしました。

心臓病センターで、今回の食欲不振について
内視鏡検査をすることを提案されました。
今の心臓の状態なら麻酔も大丈夫とのことでした。

今の状況を改善するためには
さらに一歩踏み込んだ検査をしたいと思っていたので
かかりつけ医(ではないけど今回のかかりつけ医という意味)
にセカンドオピニオンも兼ねた二次診療希望と伝えました。




そして二次診療の日。



9/21 今日は検査がんばるんだよ
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最初の問診の段階で、ニロくんの痩せ方をみた先生から
リンパ腫の可能性も示唆されました。
側頭筋が痩せている、と。


血液検査やエコー、レントゲン検査などして
その後、内視鏡やCTに進む際は
相談するため連絡が来るとのことでした。

検査は15時頃までになる可能性もあり
幸い自宅が近かったので一旦帰宅。
リンパ腫だったらどうしよう...と思いながら
そわそわ過ごしていました。


13時。
思いのほか早く連絡が来たことに、
ホッとしたのと同じくらい不安がよぎりました。
何か悪い結果が見つかったからこんなに早いのかも。


そしてその不安が的中してしまいました。



娘の学校からの帰宅時間と重なってしまったため
夫は自宅で娘の帰宅を待ち
後ほど病院で合流することにし、
私一人で結果を聞きに病院へ戻りました。




先生からのお話


リンパ腫を疑ったので判別するために
肝臓に針を刺して細胞を採取した。
エコーでは肝臓に結節などはない。
(血液検査で肝臓の数値が上昇していたので
肝臓に何かあるのかもと刺すに至ったようです)
その所見が神経内分泌腫瘍(カルチノイド)のように見える。
もしカルチノイドだったら、
人間と違い動物の場合は進行が早く予後も悪い。
肝臓を外科手術で切除してもおそらく転移している。
そもそも今のニロくんは麻酔に耐えられないかも。
手術はおろかCTなども状態を悪くするだろう。
病気が判別できたところで
抗がん剤などが効くというエビデンスもない。
今後は皮下点滴や対症療法しか出来ない。
余命は週単位か月単位か...
病理検査の結果は約1週間後だけど
それを待たずとも今回の所見で間違いないだろうと...



途中、カルチノイドってわからなくて
え。癌ですか?って聞いて、そうです、と。

頭真っ白になりながらも
その場で思いつく限りの質問をしたけど
とても丁寧に答えてくださいました。

途中まで我慢していたけど泣いてしまって
先生にそっと箱ティッシュを差し出されました。

 

ニロくんが、癌?
嘘でしょ?


6月にやった血液検査もエコーも大丈夫だったのにね。
急なスピードで進行するんだね。

思えば5月頃から朝ごはんの食いつきがイマイチだったけど
その頃から少しずつ病気が進行していたのかな。

そして夏には朝ごはんを食べなくて...
年齢のせいかと思っていたけどそうじゃなかったんだね。

でもその時に検査しても、きっと気づけなかったと思う。

だって食欲不振になった1ヶ月前の検査だって
異常がなかったんだもの。 



神様、ニロくんとの残された時間はどれくらいですか。



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まだまだ一緒にいさせてください。





9/21までの記録です。

続きます。

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